トーン・シミ
50代のしみ、ブライトニング製品で薄くなる?
50代に増えてくる茶色いしみは、肝斑ではなく日光黒子や脂漏性角化症かもしれません。形での見分け方、ブライトニング製品にできること、皮膚科を受診したいサインをまとめます。
50代になって顔や手の甲に増えてくる茶色いしみは、両頬に左右対称に広がる肝斑ではないかもしれません。境目のはっきりした日光黒子(老人性色素斑)や、盛り上がった脂漏性角化症のこともあります。盛り上がったしみは皮膚科の処置にまかせ、平らなしみは紫外線対策から始めましょう。
韓国人男性では、50代の93.9%に脂漏性角化症があり、皮膚の面積あたりでいちばん多かったのは顔と手の甲でした(Kwon et al., 2003)。
50代のしみ、肝斑・日光黒子・脂漏性角化症はどう見分けるのでしょうか
日光黒子は、長年日光を浴びてきた肌にできる、平らで境目のはっきりした茶色いしみです(DermNet, 2024)。脂漏性角化症はざらっとした小さな盛り上がりから始まり、時間とともに厚みを増して、肌に貼りついたように見えます(American Academy of Dermatology)。肝斑は、両頬や額に左右対称に広く広がります(Ogbechie-Godec et al., 2017)。
盛り上がっていて指先でざらつきを感じるなら脂漏性角化症、平らで境目がはっきりしていれば日光黒子、両頬に左右対称に広がっていれば肝斑です。ただ、日光黒子がわずかに盛り上がることもあり、平らな茶色いしみは悪性黒子(表皮内にとどまるメラノーマ)とまぎらわしいこともあるので、最終的な判断は皮膚科医にゆだねます(DermNet, 2024)。
ブライトニング製品で、日光黒子や脂漏性角化症は消えるのでしょうか
米国皮膚科学会は、脂漏性角化症は害がなく取る必要はないこと、取るなら皮膚科の処置になることを説明しています。日光黒子を取るにも、皮膚科の処置か医師の処方が必要です(DermNet, 2024)。
ブライトニング製品で脂漏性角化症が消えるという根拠は見つからず、ナイアシンアミドのような化粧品のブライトニング成分を日光黒子だけで試した研究も見つかりませんでした。2%ナイアシンアミドと2%トラネキサム酸を配合したクリームは、有効成分を除いた同じクリームより顔の色むらをはっきり減らしましたが、日光黒子を診断して分けて分析したわけではありません(Lee et al., 2014)。ですから、ブライトニング成分は平らなしみにだけ試し、脂漏性角化症には使わないようにしましょう。成分ごとのはたらきは、ブライトニング成分、色素沈着に本当にはたらくのはどれ?にまとめています。
50代のしみには、なぜ紫外線対策が先なのでしょうか
日光黒子と脂漏性角化症は、どちらも紫外線を浴びてきた量の積み重ねと結びついています。韓国人男性では、生涯の平均で1日6時間以上日光を浴びてきた人は、3時間未満の人にくらべて、脂漏性角化症が6つ以上ある可能性が2.28倍でした(Kwon et al., 2003)。紫外線対策がはたらくのは新しくできるしみに対してで、紫外線対策やビタミンC・トラネキサム酸のようなブライトニング成分で、すでにあるしみが薄くなったことを示す試験は見つかりませんでした。ですから紫外線対策を先にして、ブライトニング成分には全体の色むらを少し整える程度を期待しましょう(DermNet, 2024)。
まとめると、似て見えるしみも別のしみのことがあり、どれも増やさない近道は紫外線対策です
顔と手の甲を毎日紫外線から守り、盛り上がったしみはブライトニング製品や角質ケアで取ろうとせず、そのままにしておきましょう。脂漏性角化症はよくあるもので、50代の男性で1人あたり9.2個あり、害もありません(Kwon et al., 2003)。ただ、皮膚がんに似て見えることがあるので、新しくできた、形が変わりつづける、かゆい、出血するといったしみは、処置の前に皮膚科を受診しましょう(American Academy of Dermatology)。
今日、ひとつだけ
- 明るい窓辺で、しみをひとつずつ指先でなぞり、そのあと鏡で両頬をくらべましょう。盛り上がってざらつくしみを取りたいなら、ブライトニング製品ではなく皮膚科医の処置が必要です(American Academy of Dermatology)。ナイアシンアミドとトラネキサム酸のクリームは、平らなしみのまわりの顔の色むらを少し整えることがあります(Lee et al., 2014、日光黒子だけを対象にした試験ではありません)が、平らなしみを取りたい場合も、皮膚科の処置が必要です(DermNet, 2024)。
- 毎朝、日やけ止めを顔に2回重ねて塗り、手の甲まで伸ばしましょう。日光黒子と脂漏性角化症は、どちらも紫外線と結びついています(Kwon et al., 2003 · DermNet, 2024)。使う量は日やけ止めは、どれくらい塗れば足りる?にまとめています。塗ったあと、手の甲や頬骨の横に塗り足りないところがないか、鏡で確かめましょう。
- 新しくできたしみや、形が変わりつづけるしみがないか探しましょう。ひとつのしみに何色も混じっていないか、境目がぼやけていないか、6mmより大きくないかを確かめます(American Academy of Dermatology)。同じ明るさで撮った写真とくらべると、変化に気づきやすくなります。こうしたしみが見つかったら、あるいはかゆみや出血があれば、待たずに皮膚科を受診しましょう。
よくある質問
参考文献
- Kwon, O., Hwang, E., Bae, J. H., Park, H. E., Lee, J. C., Youn, J. I., & Chung, J. H. (2003). "Seborrheic keratosis in the Korean males: causative role of sunlight." Photodermatology, Photoimmunology & Photomedicine, 19(2), 73–80.
- DermNet (Fitzpatrick, A., & Chan, J.) (2024). "Solar lentigo." dermnetnz.org.
- American Academy of Dermatology. "Seborrheic keratoses: overview" · "Seborrheic keratoses: signs and symptoms." aad.org (accessed 2026-09-29).
- American Academy of Dermatology. "What to look for: ABCDEs of melanoma." aad.org (accessed 2026-09-29).
- Ogbechie-Godec, O. A., & Elbuluk, N. (2017). "Melasma: an up-to-date comprehensive review." Dermatology and Therapy, 7(3), 305–318.
- Lee, D. H., Oh, I. Y., Koo, K. T., Suk, J. M., Jung, S. W., Park, J. O., Kim, B. J., & Choi, Y. M. (2014). "Reduction in facial hyperpigmentation after treatment with a combination of topical niacinamide and tranexamic acid: a randomized, double-blind, vehicle-controlled trial." Skin Research and Technology, 20(2), 208–212.
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。