ビフォー・アフター写真、何から見ればいいのでしょうか

同じ肌でも、光の向きと距離、撮る時刻、加工によって別の写真になります。臨床試験が写真の条件を固定する理由と、広告写真で肌より先に比べるところをまとめました。

ビフォー・アフター写真で最初に変わっているのは、肌ではなく照明であることが少なくありません。ビフォー・アフター写真は、影の向きと背景から比べましょう。肌を見るのは最後です。同じ肌でも、光の向き、撮る距離、撮る時刻、画像の加工によって、別の写真になるからです。

同じ肌が、2枚の写真でなぜ違って見えるのでしょうか

光が横から低い角度で入ると、毛穴や小ジワのひとつひとつに影ができ、肌はより粗く見えます。人の目は、光の角度が低いほど同じ表面をより粗く感じます(Ho et al., 2006)。光の向きが変わるだけで、肌はそのままなのにキメが違って見えます。ビフォーを窓からの横の光で、アフターを正面からの光で撮ると、そうなります。距離と角度も同じです。近くから撮れば毛穴は大きく見え、あごを少し上げれば目の下の影は小さく見えることがあります。

撮る時刻と加工は、どんな差を作るのでしょうか

洗顔直後の肌はつっぱって角層が浮いて見え、保湿剤を塗ったあとは表面がなめらかになり、光を均一に反射します。効能の実証試験が、洗顔後30分、同じ温度と湿度で肌を落ち着かせてから測るのはそのためです(韓国食品医薬品安全評価院, 2018)。自然光は1日のうちに色が変わるので、朝の写真と夕方の写真は肌の色から違います(Vallarelli, 2011)。洗顔直後と保湿後、朝と夕方では、同じ肌でも別の写真になります。加工はいちばん見分けにくいものです。韓国では、化粧品の広告審査基準の中に、写真の加工そのものを禁じる条文は見つかりませんでした。使用前後の写真に求められているのは、実証データに合う「平均的な写真」であることと、「個人差があります」という注記だけです(大韓化粧品協会, 2023)。日本の基準(景品表示法・薬機法での前後写真の扱い)は未確認です。

臨床試験の写真は、どう撮っているのでしょうか

臨床試験でいちばん大切なのは、2枚の写真の条件をそろえることです。韓国の食品医薬品安全処が標準試験法として示すガイドラインは、写真を「一定の照度のもと、同一条件で」撮るよう求めています。照明も、肌の表面に対して斜めになるよう固定した撮影装置を使います(韓国食品医薬品安全評価院, 2018)。顔は一定の角度と距離を保って撮り、来院の12時間前から基礎化粧品とメイクを禁じます。経過の写真は、前回の設定と照明、姿勢をそのまま再現しなければなりません(Vallarelli, 2011)。臨床写真は、光と距離、角度、時刻を固定して、肌の変化だけを残します。条件をこう固定してはじめて比較になるので、条件の違う日常の写真2枚は、肌を比べる資料にはなりにくいのです。機器で測った値が鏡で見える姿となぜ違うのかは、毛穴の大きさを決めるものについて書いたノートをご覧ください。

まとめると、ビフォー・アフター写真は肌より条件の記録です

ビフォー・アフター写真は、肌の記録である前に、撮影条件の記録です。

ビフォー・アフター写真では、2枚の影の向き、背景、髪、口角を先に比べ、肌は最後に見ましょう。4つのうちひとつでも違えば、肌の差は読めません。光の角度が低いほど表面は粗く見え(Ho et al., 2006)、だからこそ臨床試験は照明と距離、角度を固定します。

今日の一歩

  • 広告のビフォー・アフター2枚では、影の向きと背景から先にそろえて見てください。4つのうちひとつでも違えば、その2枚で肌を比べることはできません。
  • 自分の肌を写真で比べるなら、同じ場所、同じ時刻、同じ照明で撮ってください。洗顔後30分ほどたってから、保湿剤を塗る前に撮り、比べる写真も同じ条件にそろえます。

よくある質問

加工したビフォー・アフター写真は違法ですか?
加工そのものは違法ではありません。韓国の化粧品広告審査基準には、写真の加工を禁じる条文は見つかりませんでした。基準が求めているのは、実証データに合う「平均的な写真」であることと、「個人差があります」という注記です(大韓化粧品協会, 2023)。
臨床試験のような写真を家で撮れますか?
照明と距離、角度、時刻を固定すれば撮れます。窓辺を避けて同じ室内の照明のもと、同じ場所に立ち、洗顔後30分ほどたってから撮ってください。
実証試験の写真は信じていいのでしょうか?
条件を固定して撮った写真なので、2枚どうしの比較はできます。ただ広告に載るのは平均的な写真なので、自分の肌で同じ変化が出るかは別に見る必要があります。

参考文献

  1. Ho YX, Landy MS, Maloney LT. (2006). "How direction of illumination affects visually perceived surface roughness." Journal of Vision, 6(5), 634–648. (PMID 16881794)
  2. Vallarelli AFA. (2011). "Criteria for submitting photos." Anais Brasileiros de Dermatologia, 86(2), 212–214.
  3. National Institute of Food and Drug Safety Evaluation (Korea). (2018). Guideline on Test Methods for Substantiation of Cosmetic Labeling and Advertising Claims (Guidance 0353-02), Chapter 4 (temporary cellulite reduction) and Chapter 6 (dark circles).
  4. Korea Cosmetic Association. (2023). Cosmetic Advertising Review Standards and Commentary, II.3 (4)⑤, before-and-after advertising.

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