肌トラブル・ニキビ
ニキビ跡とクレーターの違い、赤みは薄れて凹みが残るのはなぜ?
赤みや茶色のニキビ跡は時間とともに薄れますが、クレーター(陥凹性瘢痕)は戻りません。表面の色と真皮の構造を見分ける方法と、それぞれに本当に必要なケアを。
赤みや茶色のニキビ跡は時間とともに薄れていきますが、凹んだクレーターは自然に消えることはありません。この二つは、肌の中の深さが違います。ニキビが落ち着いたあと、残ったものをまとめて「ニキビ跡」と呼び、同じアイテムで消そうとしてしまいがちです。けれど、残った色と、凹んだ瘢痕とでは、必要なものが違います。薄れていく跡なのか、それとも肌の構造が変わってしまった瘢痕なのかを見分けられれば、肌が受けとめられない強いアクティブ成分で無理をさせずにすみます。
ニキビ跡とクレーターは何が違うのでしょう
鍵になるのは深さです。赤みや茶色の跡は、たいてい表面と表皮に残った色です。赤みは炎症が落ち着く過程で血管が広がったところ、茶色は残ったメラニン色素。いっぽうクレーターは、その下の真皮でコラーゲンが失われた、構造そのものの変化です。跡は色の問題であり、瘢痕は構造の問題です。だからこそ、一方は時間とともに薄れ、もう一方はひとりでには埋まらないのです。
赤みや茶色の跡は、なぜ薄れていくのでしょう
残った色は、肌が自分で後片づけをしている途中の姿です。赤みの跡は、広がっていた血管が時間とともに元へ戻るにつれて薄れていきます。茶色の跡は、残ったメラニンが細胞の入れ替わりとともに押し出されて薄れていきます。茶色の跡は、紫外線を浴びるとより濃くなります(Davis & Callender, 2010)。ですから茶色の跡が濃くならないよう、日中は紫外線を防いでください。(炎症後色素沈着は、肌の色が濃い方ほど残りやすい傾向があります。)赤みの跡と茶色の跡がどう違うかは赤いニキビ跡と茶色いニキビ跡で整理しています。
クレーターは、なぜ自然には薄れないのでしょう
クレーターは色ではなく、構造の変化です。ニキビの炎症が深く、長く続くと、真皮のコラーゲンが壊されます。ニキビ瘢痕の約80〜90%では、そのコラーゲンの喪失が瘢痕をかたちづくり、盛り上がりではなく凹みを残します(Connolly et al., 2017)。崩れたコラーゲンは、上から塗る製品では埋まりません。クレーターはブライトニングや鎮静の成分では薄くならず、新しいコラーゲンを促す皮膚科の施術(マイクロニードリング、レーザー、サブシジョンなど)の領域です。瘢痕の回復に時間がかかる理由は、バリア機能の視点からニキビ跡がなかなか落ち着かないときで、その施術のあと赤みが何日続くのかはレーザー後の赤みで続けています。
まとめ|跡は紫外線対策、クレーターは皮膚科へ
色の跡は、強いアクティブ成分で無理に攻めるとかえって濃くなることがあります。刺激が炎症をふたたび呼び起こしてしまうからです。力を抜いて、日中は紫外線から守り、時間をあげること。それだけで跡は自然に薄れていきます。ナイアシンアミドやビタミンCのようなブライトニング成分は色素が引いていくのを助けてくれますが、あくまでやさしく使ってください。強すぎる使い方は逆効果です。刺激を受けた場所を落ち着かせ、バリア機能を守ってください。平らな色の跡には刺激を減らして日中の紫外線対策を、凹んだクレーターは製品で埋めようとせず皮膚科で相談してください。
今日の一歩
- 平らで色だけが違う跡(赤か茶色)なら、日中の日焼け止めから始めてください。茶色の跡は紫外線を浴びるとより濃くなります(Davis & Callender, 2010)。強いブライトニングや角質ケアの成分は休ませてください。指先でなでて平らなら、薄れていく跡です。数か月たっても濃くなり続けたり形が変わり続けたりするなら、皮膚科を受診してください。
- 横から光を当てたとき表面が凹んで影ができるなら、皮膚科で方法を相談してください。ニキビ瘢痕の多くは真皮のコラーゲンが失われて凹んだ萎縮性瘢痕で(Connolly et al., 2017)、塗るものでは埋まりません。スマートフォンのライトを横から当てて影ができるか確かめてください。瘢痕が赤く盛り上がったり、かゆみが出て大きくなったりしたら、すぐに受診してください。
よくある質問
参考文献
- Connolly, D., Vu, H. L., Mariwalla, K., & Saedi, N. (2017). “Acne Scarring—Pathogenesis, Evaluation, and Treatment Options.” Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology, 10(9), 12–23.
- Davis, E. C., & Callender, V. D. (2010). “Postinflammatory hyperpigmentation: a review of the epidemiology, clinical features, and treatment options in skin of color.” Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology, 3(7), 20–31.
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。