トーン・シミ

ニキビ跡、赤い跡と茶色い跡はなぜ違うのでしょうか

ニキビが落ち着いたあとに残る赤い跡は血管由来(PIE)、茶色い跡は色素由来(PIH)。原因が違えば、ケアも変わります。潰さないこと、日焼け止め、肌を落ち着かせる時間で、跡は薄くなっていきます。

ニキビが落ち着いたあとに残る跡は、その色によってケアの仕方が変わります。赤い跡は、炎症が通り過ぎた場所で広がった血管が透けて見えている状態です(炎症後紅斑(赤みの跡)、PIE)(Bae-Harboe & Graber, 2013)。茶色い跡は、炎症がメラニンを過剰につくらせたことで残った色素です(炎症後色素沈着(茶色の跡)、PIH)(Davis & Callender, 2010)。凹みや盛り上がりとして組織そのものが変わってしまう本当の傷あととは違い、どちらも時間とともに薄くなっていきます。ただし、潰したり刺激を与えたりすると、その分だけ長く居座ります。だからこそ、刺激を足さないこと。紫外線を防ぎ、肌を落ち着かせることが近道です。

ようやくニキビが落ち着いたと思ったら、その場所に赤みや茶色っぽい跡が残っている。これはいつ薄くなるのだろうと、また気持ちがざわつく。そんな経験はないでしょうか。

ニキビ跡は決してめずらしいものではありません。ただ、その頻度は肌の色によって大きく変わります。女性を人種別に比べると、色素沈着はアフリカ系アメリカ人女性の65%、ヒスパニック系女性の48%に見られ、アジア系・インド系・白人女性では10〜25%でした(Perkins et al., 2011)。研究者たちは、肌の色が濃いほどニキビが残す痕跡が多かったと述べています。

赤い跡と茶色い跡は、何が違うのでしょうか

ひとくちにニキビ跡といっても、その正体は違います。赤い跡は指で押すと一瞬色が引き、離すとまた赤くなります。茶色い跡は、押しても色が変わりません。赤い跡は、炎症が通り過ぎた場所で広がった血管が透けて見えているもの(Bae-Harboe & Graber, 2013)。茶色い跡は、炎症がメラニンを過剰につくらせた結果として残った色素です(Davis & Callender, 2010)。どちらも平らな「跡」で、時間とともに薄くなっていきます。一方、凹んだり盛り上がったりしている変化は、本当の傷あと。組織そのものが変わっているため、自然に元どおりになることはありません。跡と傷あとの見分け方についてはニキビ跡が薄くなりにくい理由を、同じ「色素か、血管か」という分かれ方についてはクマ、色素型と血管型をご覧ください。

ニキビ跡は、なぜ長く残るのでしょうか

どちらも根っこにあるのは炎症です。炎症が長引くほど、そしてくり返すほど、跡は濃く、長く残ると言われています。潰したりこすったりすると炎症が広がり、赤い跡はより赤く、茶色い跡はより深く定着してしまうことがあります。さらに紫外線は、茶色い跡のメラニンをふたたび刺激し、跡が居座る期間を延ばします(Davis & Callender, 2010)。結局のところ、早く跡をなくしたくて足してしまう刺激こそが、その跡を留めているのです。

ニキビ跡は、色によってどうケアすればいいのでしょうか

まず、潰さないでください。ニキビを潰したり、跡をこすったりすると、炎症が戻ってきます。次に、ツボクサ(センテラ)やパンテノール(保湿成分)のようなおだやかな鎮静成分と、セラミド(保湿成分)のうるおいで、残った炎症を静めてください。日中は紫外線を防いでください。紫外線は茶色い跡を長引かせます(Davis & Callender, 2010)。色素が気になるときは、ナイアシンアミドやアゼライン酸のように茶色い跡によく使われるブライトニング成分を、一つだけ少量から足してください。強い酸(ビタミンC・グリコール酸・乳酸・サリチル酸)やブライトニング成分を一度に重ねると、刺激が重なって炎症が大きくなることがあるので控えてください。赤い跡は落ち着かせることと時間で、茶色い跡は紫外線対策とおだやかなブライトニング成分でケアしてください。

まとめると、跡を急いで消すより、まず炎症をやわらげる

ニキビ跡は、肌が弱い証拠ではありません。炎症が残した痕跡を、肌がいま片づけている最中だというサインです。広がった血管が透ければ赤い跡、メラニンが残れば茶色い跡で(Bae-Harboe & Graber, 2013; Davis & Callender, 2010)、紫外線は茶色い跡を長引かせます。早く薄くしたくて刺激を重ねるより、潰さず、肌を落ち着かせ、紫外線を防いでください。凹んだ傷あとは、皮膚科の施術の領域です。そのあと赤みがどれくらい続くのかはレーザー後の赤みにまとめています。

今日の一歩

  • ニキビも跡も潰したりこすったりせず、ツボクサやパンテノールのような鎮静成分とセラミドのうるおいで、まず炎症を落ち着かせてください。 潰さないことで跡が減るかは、試験で確かめられてはいません。跡を指で押して、一瞬色が引いてまた赤くなるなら赤い跡、変わらないなら茶色い跡です(Bae-Harboe & Graber, 2013)。跡が凹んでいく、ニキビが化膿し続けるときは、皮膚科を受診してください。
  • 茶色い跡なら、日中は紫外線を必ず防いでください。 紫外線は茶色い跡のメラニンをふたたび刺激し、長引かせます(Davis & Callender, 2010)。同じ明るさで写真を撮っておき、色が濃くなっていないか比べてください。跡以外にまで色が広がる、形が変わり続けるときは、皮膚科を受診してください。
  • ブライトニング成分を足すなら、ナイアシンアミドかアゼライン酸のどちらか一つを少量にしてください。 どちらも茶色い跡によく使われる成分です。最初の数日は、塗った場所がヒリヒリしたり赤くなったりしないか見てください。ヒリヒリが続くならやめ、数か月たっても色が変わらないなら、皮膚科を受診してください。

よくある質問

赤い跡と茶色い跡は、どう見分ければいいですか?
指やガラスで軽く押してみてください。一瞬色が引くなら、血管が透けて見えている赤い跡(PIE)。色がそのまま残るなら、色素による茶色い跡(PIH)です(Bae-Harboe & Graber, 2013)。
跡が薄くなるまで、どのくらいかかりますか?
多くの場合は数週間から数か月です。色素が深いときや炎症をくり返しているときは、さらに時間がかかります。潰したり刺激を与えたりすると、その期間はいっそう長くなります。
赤い跡にブライトニング成分は使ったほうがいいですか?
赤い跡は色素ではなく血管によるものなので、ブライトニング成分よりも、落ち着かせることと時間のほうが意味を持ちます。ツボクサやパンテノールのようなおだやかな鎮静成分と、セラミドのうるおいが助けになります。茶色い跡には、紫外線対策と、ナイアシンアミドやアゼライン酸のようなおだやかなブライトニング成分が向いています。
跡のケアには、どんな成分が向いていますか?
赤い跡には、ツボクサやパンテノールのようなおだやかな鎮静成分とセラミドのうるおい。茶色い跡には、紫外線対策と、ナイアシンアミドやアゼライン酸のようなおだやかなブライトニング成分です。
跡と傷あとは違うものですか?
はい。平らな赤い跡や茶色い跡は時間とともに薄くなりますが、凹んだり盛り上がったりした傷あとは組織そのものが変わっているため、自然に元どおりにはなりません。そこは施術の領域です。

参考文献

  1. Bae-Harboe YSC, Graber EM. (2013). "Easy as PIE (Postinflammatory Erythema)." Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology, 6(9), 46–47.
  2. Davis EC, Callender VD. (2010). "Postinflammatory hyperpigmentation: a review of the epidemiology, clinical features, and treatment options in skin of color." Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology, 3(7), 20–31.
  3. Perkins AC, Cheng CE, Hillebrand GG, Miyamoto K, Kimball AB. (2011). "Comparison of the epidemiology of acne vulgaris among Caucasian, Asian, Continental Indian and African American women." Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology, 25(9), 1054–1060.

この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。

Naeun Kim

Naeun Kim

創業者・韓国MFDS認定 オーダーメイド化粧品調製管理士

始まりは、選ぶ成分を間違えて自分の肌を崩してしまったことでした。そこから肌が落ち着いていく過程で学んだことをもとに、肌バリアのケアを中心に据えて、自分の手で調製し、設計しています。足りないものを埋めて別の肌にするのではなく、あなたなりの最適点で、肌がもともと持つ働きを目覚めさせる一本をつくります。

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