トーン・シミ
妊娠中に肝斑ができるのはなぜ?出産後に薄くなるのか
妊娠中に頬や額にあらわれる茶色い色素斑(肝斑)は、よくある変化です。なぜ起こるのか、出産後に薄くなるのか、やさしいケアの続け方を。
妊娠中、頬や額、上唇のあたりに左右対称にあらわれる茶色い色素斑、いわゆる肝斑(妊娠性肝斑)は、とてもよくある変化です。妊娠にともなうホルモンの変化と紫外線が重なり、メラニンが増えやすくなることで生まれます(Handel et al., 2014)。出産後にホルモンが落ち着くにつれて少しずつ薄くなることが多いと言われていますが、紫外線を浴び続けているとそのまま残ることもあります。妊娠中にいちばん安全なのは、守りながら待つこと。強いブライトニングのアクティブ成分に急ぐのではなく、毎日の日焼け止めとやさしいケアに頼るのが確かな方法です。
妊娠すると肝斑ができやすくなるのはなぜ?
妊娠中は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が増えていきます。これらのホルモンは、メラニンをつくる細胞を反応しやすい状態にし、そこに紫外線が加わると色素が濃くなりやすくなります(Handel et al., 2014)。頬、額、上唇といった、光をいちばん受けやすい場所に左右対称にあらわれやすいのは、そのためです。妊娠中の肝斑は、ホルモンだけで決まるというより、ホルモンによって敏感になった肌に紫外線が引き金として働くことで起こります。妊娠後期にかけて目立ちやすくなると言われています。
出産後、肝斑は薄くなるのでしょうか?
出産後にホルモンバランスがいつもの状態に戻ると、妊娠中に濃くなった肝斑は少しずつ薄くなっていくことが多いと言われています。ただ、自然に完全になくなると言い切ることはできません。とくに産後も紫外線を浴び続けていると、色素がふたたび刺激されて残ってしまうことがあります。肝斑がふたたび濃くならないよう、出産の前も後も日焼け止めを続けてください。産後の肌の変化については、産後の肝斑のノートもあわせてご覧ください。
妊娠中、肌に使っても安心なものは?
妊娠中は、成分について少し慎重になるのが自然なことだと思います。優先順位でいえば、強いブライトニングのアクティブ成分よりも先に来るのは、毎日の日焼け止めとやさしい保湿です。ハイドロキノンや高濃度のレチノイドなど、妊娠中は避けるようにと一般的に言われている成分は、いまはいったん脇に置いて、刺激の少ないケアを選んでください。ある成分が使えるかどうかを自分だけで判断せず、産婦人科医や皮膚科医に確認することをおすすめします。何をいつ使うかについてはブライトニング成分ガイドが、色素沈着のタイプを見分けたいときはシミと肝斑のタイプが参考になります。
まとめ|いまは紫外線対策と保湿
いまいちばん役に立つのは、焦らないことです。妊娠中の肝斑は、ケアがうまくいっていないサインというより、からだを通り過ぎていく自然な変化に近いものです。ですからこの時期は、無理に薄くしようとするのではなく、色素をこれ以上濃くしないことに目を向けるだけで十分です。妊娠中は毎日の日焼け止めを続け、やさしい保湿で肌を守りながら待ってください。実績のあるブライトニング成分をあらためて取り入れるのは、出産後、肌が落ち着いてからでも遅くありません。
今日のひとつ
- 朝の洗顔のすぐあとに日焼け止めを塗り、外では帽子や日傘で光をもう一度さえぎってください。紫外線は、ホルモンで敏感になった肌の色素を濃くします(Handel et al., 2014)。塗らなかった日がなかったかを1週間単位で確認してください。頬・額・上くちびるのまわりが急に濃くなったり、形が変わり続けるほくろが見えたりしたら、皮膚科を受診してください。
- 弱酸性の洗顔でやさしく洗い、肌の脂質に似た保湿でバリア機能を守ってください。よく使われる方法で、肝斑を薄くするかを試験で確かめたものではありません。洗顔後につっぱるかを見てください。塗ったあとにしみたり赤くなったりしたら、その製品を止めてください。
- 新しいブライトニング成分を始める前に、まず産婦人科医や皮膚科医に相談してください。出産後にホルモンが落ち着くとゆっくり薄くなることが多い一方、紫外線を受けつづけると残ります(Handel et al., 2014)。成分表にハイドロキノンやレチノイドがないか、先に確認してください。
よくある質問
参考文献
- Handel AC, et al. (2014). "Melasma: a clinical and epidemiological review." Anais Brasileiros de Dermatologia, 89(5), 771–782.
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。