保湿・バリア機能
何を塗ってもヒリヒリして赤くなるのはなぜ?
何を使ってもヒリヒリして赤くなるのは、バリア機能が低下し刺激の閾値が下がっているから。敏感肌のしくみと、鎮静を足すより刺激を引くほうが向いている理由をお話しします。
何を使ってもヒリヒリして赤くなる「敏感肌」は、バリア機能が低下し、刺激を感じる閾値が下がっている状態であることが多いです。バリアが薄くなると外からの刺激が入りやすくなり、その下にある神経もさらされやすくなるとされています。だから、ほかの人には平気な成分でも、自分だけがヒリついたり赤くなったりします。必要なのは、鎮静アイテムを上から重ねることではありません。刺激をひとつずつ減らし、バリア機能を守りながら、回復に必要な時間を渡すことです。
「敏感肌だから」。そう片づけてきたかもしれません。けれど、「どうして自分だけなのだろう」という問いは、とても自然なものです。ここでは、その理由をひもといていきます。
敏感肌とは何で、なぜ自分だけ反応するのか
敏感肌は、本来なら反応を起こさないはずの刺激に、ヒリつき・灼熱感・かゆみ・つっぱりといった不快な感覚が生じる状態です(Misery et al., 2017)。けっしてめずらしいことではなく、女性のおよそ60〜70%、男性の50〜60%が、なんらかの程度で敏感肌を自覚しているという報告もあります(Farage, 2019)。バリア機能が低下すると、外からの刺激が角層を通り抜けやすくなり、その下の知覚神経も反応しやすくなるとされています。そのため、ほかの人には何でもない成分や温度の変化でも、ヒリつきや赤みにつながることがあります。
鎮静を重ねるより、何を引くか
反応が出るほど、「落ち着かせるのによさそうなもの」をもうひとつ足したくなります。けれど、すでに反応している肌に工程を増やすと、新しい変数が増えてかえって反応を強めてしまうことがあります。反応しやすい肌なら、まず強いアクティブ成分と刺激になるものをしばらく減らしてください。ビタミンC、AHA・BHA、レチノールはしばらくお休みし、香料の強いものやアルコールの多いもの、頻繁な角質ケア、熱いお湯での洗顔も控えてください。
何を残すか
空いたところには、ぬるま湯での弱酸性の洗顔、セラミドやパンテノールでの保湿、日中の紫外線対策だけを残してください。赤みが強いときは、ツボクサ(センテラ)のような鎮静成分が助けになるとされています。鎮静成分とバリア成分の関係はナイアシンアミドとパンテノール|バリア機能を一緒に支える理由で、回復にかかる時間は傷んだ肌のバリア機能、回復にはどれくらいかかる?でお話ししています。
まとめると、敏感さはバリア機能が疲れているサイン
敏感肌は、ふつうなら反応しない刺激にもヒリつきや灼熱感が出る状態で(Misery et al., 2017)、女性の60〜70%がなんらかの程度で自覚するほどよくあるものです(Farage, 2019)。バリア機能が低下すると刺激や知覚神経が反応しやすくなるとされているので、敏感さは「これが自分の肌だから」というより、いまバリア機能が疲れているサインと考えてください。鎮静アイテムを足すより、刺激をひとつずつ減らし、バリア機能が戻る時間をあげてください。
今日できること
- 強いアクティブ成分(ビタミンC、AHA・BHA、レチノール)のうち、まずはひとつだけしばらくお休みしてください。ひとつずつ外すのはよく使われる方法で、試験で確かめられたものではありません。外したものを書きとめ、一週間後にヒリつきが減ったかを見てください。減らなければ次のひとつを外し、数週間たってもヒリつきや赤みが変わらなければ皮膚科を受診してください。
- 洗顔はぬるま湯と低刺激の洗浄料に切り替え、セラミドとパンテノールの保湿でバリア機能を支えてください。この組み合わせはよく使われる方法で、試験で確かめられたものではありません。洗顔直後のつっぱりが軽くなるかを見てください。保湿しても灼熱感が強まる、じゅくじゅくするといった場合は皮膚科を受診してください。
- 香料の強いもの、アルコールの多いもの、しみるものは一度お休みし、新しいアイテムはひとつずつ取り入れてください。ひとつずつ取り入れるのもよく使われる方法で、試験で確かめられたものではありません。取り入れてから一週間、ヒリつきや赤みが新たに出ないかを見てください。赤みが長引く、または強まる場合は、その製品をやめて皮膚科を受診してください。
よくある質問
参考文献
- Misery L, et al. (2017). "Definition of Sensitive Skin: An Expert Position Paper from the Special Interest Group on Sensitive Skin of the International Forum for the Study of Itch." Acta Dermato-Venereologica, 97(1), 4–6.
- Farage MA. (2019). "The Prevalence of Sensitive Skin." Frontiers in Medicine, 6, 98.
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。