組み合わせ・順番

その美容液、けんかしていませんか?成分の相性セルフチェック

レチノール、ビタミンC、酸を重ねると、互いの働きを打ち消し合ったり、バリア機能に負担をかけたりすることがあります。その美容液がけんかしていないか、このセルフチェックで確かめてみてください。

美容液をつけた直後にしみたり、いつもより粉をふいて赤みが出たりするなら、今使っている美容液どうしが刺激を重ねている可能性があります。レチノールと角質ケア成分の両方がケアに入っているなら、同じ夜に重ねず、使う夜を分けましょう。この記事で取り上げた組み合わせのうち、一方の成分がもう一方を分解すると確かめられたのは過酸化ベンゾイルとトレチノインだけで、それも容器の中で混ぜて測った結果でした(Martin et al., 1998)。ほかの組み合わせでは、まず刺激が重なっていないかを確かめましょう。

美容液どうしが効果を打ち消し合うことは、本当にあるのでしょうか

トレチノインを過酸化ベンゾイルと混ぜて光に当てると、トレチノインは約2時間で半分以上、24時間で95%が分解しました(Martin et al., 1998)。同じ試験で、アダパレンは光があってもなくても安定していました。容器の中で混ぜて測った結果なので、顔の上でも同じ速さで分解するとはいえません。レチノールはこの試験に含まれていませんでした。韓国では、トレチノインとアダパレンは医師の処方が必要な薬で、過酸化ベンゾイルは薬局で買える一般用医薬品です。日本の基準は未確認です。トレチノインを処方されていて過酸化ベンゾイルも使っているなら、2つの薬を混ぜて塗らないでください。塗る時間は、処方した医師に確認しましょう。

レチノールと角質ケア成分を、同じ夜に重ねてもよいのでしょうか

レチノイドは角層をゆるめ、経表皮水分蒸散量(TEWL)を増やすことが知られています。グリコール酸・乳酸・サリチル酸も、古い角質をはがれやすくする成分です。レチノールとこれらの成分を一度に重ねた人の刺激を測った比較試験は、見つかりませんでした。レチノールとグリコール酸・乳酸・サリチル酸は同じ夜に重ねず、使う夜を分けましょう。夜を分ける方法はよく使われるやり方ですが、試験で確かめられたものではありません。

ビタミンCとナイアシンアミドは、本当に一緒に使えないのでしょうか

ナイアシンアミドが酸性の製品と出会うとナイアシンに変わり、顔が赤くなるという心配があります。ナイアシンアミドがナイアシンに変わる反応は、強い酸やアルカリの中で高い温度に長く加熱してはじめて速くなることが知られています。ビタミンCとナイアシンアミドを一緒に塗った人の赤みを測った試験は、見つかりませんでした。ナイアシンアミドは、ビタミンCと同じ日に使うという理由だけで外す必要はありません。角質ケア成分と一緒に使うときの根拠は、ナイアシンアミドと角質ケア成分を同じケアで使えるかどうかをご覧ください。

創業者より

私はかつて、美容液を一度に五本重ねていました。足せば足すほど、肌を大切にできていると信じていたのです。けれど肌はよくなるどころか、ヒリヒリと赤いままでした。減らしてはじめてわかりました。問題は、少なすぎることではなかった。多すぎたのです。

まとめると、美容液のけんかは刺激が重なっていないかから確かめます

過酸化ベンゾイルは光を受けるとトレチノインを分解します。レチノイドは角層をゆるめることが知られています。過酸化ベンゾイルと混ぜて光に当てたトレチノインは、24時間で95%が分解しました(Martin et al., 1998)。この記事で分解が確かめられた組み合わせはニキビに使う医薬品どうしで、ほかの組み合わせはまず刺激が重なっていないかを確かめる必要があります。つけた直後のしみる感じ・粉ふき・赤みが続くなら、アクティブ成分の美容液を一つ外し、新しい美容液は一度に一つずつ足しましょう。いくつも同時に変えると、どの製品が刺激の原因だったのか見分けられなくなるので注意しましょう。ケアのステップ数については、スキンケアに10ステップはいらない理由をご覧ください。

今日からできること

  • 今夜つける美容液の全成分表示でレチノールとグリコール酸・乳酸・サリチル酸を探し、両方あれば使う夜を分けましょう。レチノイドは角層をゆるめることが知られています。夜を分ける方法はよく使われるやり方ですが、試験で確かめられたものではありません。翌朝の洗顔後に、しみる感じが軽くなったかを確かめましょう。しみる感じや赤みが落ち着かない、または腫れたりじゅくじゅくしたりするときは、両方をやめて皮膚科を受診しましょう。
  • つけた直後にしみる状態が続く美容液を一つ外し、日中は日焼け止めを塗りましょう。刺激そのものが、炎症のあとに残る茶色い跡(炎症後色素沈着)を生んだり濃くしたりすることがあり、紫外線対策はその跡のケアの基本です(Davis & Callender, 2010)。美容液を外した翌日に、つけた直後のしみる感じが消えていれば、その美容液が原因です。外しても赤みや茶色い跡が濃くなり続けるときは、皮膚科を受診しましょう。

よくある質問

美容液は一度に何本まで使えますか?
何本までなら大丈夫かを決めた試験は、見つかりませんでした。本数より、レチノール・角質ケア成分・過酸化ベンゾイルのようなアクティブ成分が同じ時間帯に重なっていないか、つけたあとにしみないかを確かめましょう。
ビタミンCとナイアシンアミドは、本当に一緒に使えないのですか?
同じ日に使えます。ナイアシンアミドがナイアシンに変わる反応は、高い温度に長く加熱してはじめて速くなることが知られています。つけたあとにしみるなら、成分が変わったせいというより、アクティブ成分を一度にたくさん重ねたことによる刺激と考えましょう。
レチノールとグリコール酸・乳酸を一緒に使うと、どうなりますか?
どちらも角層に働くため、同じ夜に重ねると、しみる感じ・粉ふき・赤みが一緒に出ることがあります。レチノールを使う夜と角質ケア成分を使う夜を分けましょう。
美容液がけんかしているかどうか、どう見分けますか?
つけた直後にしみること、いつもより粉ふき・つっぱり・赤みが出ていることがサインです。思い当たるときは、美容液を一度に一つずつ休ませると、どの製品が原因かを見分けられます。
刺激がくり返されると、色素の跡も残りますか?
残ることがあります。刺激と炎症がくり返されると、その場所に茶色い跡(炎症後色素沈着)ができたり濃くなったりすることがあり、肌の色が濃いほど、より多く、より強く出ます(Davis & Callender, 2010)。刺激を減らしながら、日中は日焼け止めを塗りましょう。

参考文献

  1. Martin, B., Meunier, C., Montels, D., & Watts, O. (1998). "Chemical stability of adapalene and tretinoin when combined with benzoyl peroxide in presence and in absence of visible light and ultraviolet radiation." British Journal of Dermatology, 139(Suppl. 52), 8–11.
  2. Davis, E.C., & Callender, V.D. (2010). "Postinflammatory hyperpigmentation: a review of the epidemiology, clinical features, and treatment options in skin of color." Journal of Clinical and Aesthetic Dermatology, 3(7), 20–31.

この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。

Naeun Kim

Naeun Kim

創業者・韓国MFDS認定 オーダーメイド化粧品調製管理士

始まりは、選ぶ成分を間違えて自分の肌を崩してしまったことでした。そこから肌が落ち着いていく過程で学んだことをもとに、肌バリアのケアを中心に据えて、自分の手で調製し、設計しています。足りないものを埋めて別の肌にするのではなく、あなたなりの最適点で、肌がもともと持つ働きを目覚めさせる一本をつくります。

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