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オイルクレンジングで、角栓・黒ずみは本当に落ちるのでしょうか

クレンジングオイルやバームは、洗顔料だけよりも皮脂や日焼け止めをよく溶かします。けれど角栓は、溶かして落とせる汚れではありません。オイルクレンジングにできることと、できないこと。

皮脂は油に溶けます。ですからクレンジングオイルやバームが、その日の皮脂や日焼け止め、油性のメイクを、洗顔フォームだけよりもやさしく浮かせてくれるのは本当です。水や洗顔フォームではウォータープルーフの日焼け止めが残りやすい一方で、クレンジングオイルはそれもより確実に落とし、洗い上がりのつっぱりも少なかったと報告されています(Chen et al., 2020)。けれど角栓は汚れではありません。毛穴のなかで酸化した皮脂と角質が固まったもので、オイルで溶け出てくるわけではないのです。洗ったあとのすっきりとしたなめらかさは、その多くが表面の皮脂と皮脂線条が一時的にいなくなったから。毛穴はまた満ちていきます。

「油は油で落ちる」。クレンジングの広告では、必ずと言っていいほど耳にする一文です。この言葉は、半分だけ正しい。その半分がどこで終わるのかを知っておくと、五つ目のバームを買い足さずにすみます。

「油は油で落ちる」は、どこまで本当か

皮脂も日焼け止めも、そして多くのメイクも、油に溶ける性質を持っています。だからオイルベースのクレンジングは、それらをよくゆるめてくれます。洗い方を比べたある研究では、水ですすいだだけでは日焼け止めが半分以上残り、洗顔フォームもウォータープルーフ処方には苦戦しました。一方でクレンジングオイルはそうした処方まで落とし、洗い上がりのつっぱり感を訴える人も少なかったと報告されています(Chen et al., 2020)。日焼け止めを塗った日は、洗顔フォームでごしごし洗うより、まずオイルやバームで溶かすほうが理にかなっています。

オイルクレンジングで角栓は落ちるのでしょうか

ここからが残りの半分です。黒ずんだ角栓は、いわゆる開放面皰(オープンコメド)。毛穴に皮脂と古い角質が詰まり、中身が空気に触れて酸化することで黒く見えています。あの色は汚れではなく、酸化した皮脂の色です。ですから、表面にオイルをどれだけ重ねても、角栓がまるごと溶け出てくることはありません。なぜ繰り返しできてしまうのかは毛穴の開きと角栓・黒ずみで詳しく触れています。オイルクレンジングが落としてくれるのは、その日の皮脂。角栓を溶かしてなくすものではありません。

オイルクレンジングのあと、なぜ肌はなめらかに感じるのでしょうか

オイルクレンジングのあと、鼻がつるんとする。あの感覚はたしかに本物です。ただ、その正体の多くは、表面の皮脂と皮脂線条がしばらくいなくなったことにあります。皮脂線条とは、鼻すじに並ぶ小さな点々のこと。毛穴が皮脂を表面へ送り出している通り道で、欠点ではなく、誰の肌にもあるふつうの構造です。押し出しても洗い流しても、およそ一か月ほどでまた満ちてきます。なめらかさは、毛穴が一時的に空になったしるし。毛穴そのものがなくなったわけではありません。

洗いすぎると、かえって皮脂は増えるのでしょうか

やっかいなのは、そのなめらかさを追いかけはじめたときです。熱いお湯、一日二回のオイルクレンジング、長いマッサージ、押し出し、毛穴パック。強く押しすぎるとバリア機能は薄くなり、肌は失われた分を補おうとして、かえって皮脂を増やします。表面はさっぱりなのに、その下はよりオイリー。洗いすぎがなぜ皮脂を増やすのかはオイリー肌が実は乾いている理由で書いています。そぎ落とすことと、掘り出すことは、同じ洗い方ではありません。

掘り出すのではなく、そぎ落とす

クレンジングオイルやバームは、一度目の洗いにとても向いています。その日の皮脂と日焼け止めをやさしく溶かし、強い洗顔フォームよりもバリア機能への負担が少ない。オイルが得意なのは、そこまでです。その下にある角栓については、押し出しや毛穴パックはやめて、低い濃度のBHA(サリチル酸)をときどき使いながら、毛穴をゆっくり空にしていくほうが近道です。ステップは実際いくつ必要なのかはスキンケアのステップはいくつ必要かにまとめています。肌はもともと、自分の皮脂を動かす方法を知っています。やさしさとは、その邪魔をせずにそぎ落とすことなのだと思います。

今日の小さな一歩

  • 日焼け止めやメイクをした日は、まずオイルかバームで溶かし、そのあとおだやかな洗顔料で仕上げを。
  • 朝や、素肌で過ごした日は、一度の洗顔で十分です。
  • オイルクレンジングは一日一回、ぬるま湯で。熱いお湯と長いマッサージは控えて。
  • 角栓は押し出さない、毛穴パックも使わない。おだやかなBHAで、ゆっくり空にしていきましょう。

よくある質問

ダブル洗顔は毎回必要ですか?
日焼け止めや油性のメイクをした日は、まずオイルかバームで溶かし、おだやかな洗顔料で仕上げると助けになります。素肌で過ごした朝なら、一度の洗顔で十分です。
オイルクレンジングを使うとニキビができます。
肌に合わないオイルだったり、乳化して流しきれずに残っていたりすると、そうなることがあります。ぬるま湯でしっかりすすぎ、それでもぷつぷつが続くようなら、処方を変えてみてください。
オイルクレンジングは、オイリー肌・乾燥肌・敏感肌に向いていますか?
オイリー肌は落とすべき皮脂や日焼け止めが多いぶん、一度目にオイルを使う洗い方がよく合います。乾燥肌や敏感肌は洗い上がりのやさしさを受け取れますが、一日一回にとどめ、そのあとはシンプルな保湿を。負担のかかっているバリア機能には、摩擦は多いより少ないほうが向いています。
角栓を早く落とすにはどうすればいいですか?
押し出すと毛穴の壁が傷つき、跡が残ったり毛穴が広がったりします。刺激の少ないおだやかなBHAは遠回りに見えて、結果的には早く落ち着きます。

参考文献

  1. Chen W, He M, Xie L, Li L. (2020). "The optimal cleansing method for the removal of sunscreen: Water, cleanser or cleansing oil?" Journal of Cosmetic Dermatology, 19(1), 180–184. (PMID 31157512)

この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。

Naeun Kim

Naeun Kim

創業者・韓国MFDS認定 オーダーメイド化粧品調製管理士

始まりは、選ぶ成分を間違えて自分の肌を崩してしまったことでした。そこから肌が落ち着いていく過程で学んだことをもとに、肌バリアのケアを中心に据えて、自分の手で調製し、設計しています。足りないものを埋めて別の肌にするのではなく、あなたなりの最適点で、肌がもともと持つ働きを目覚めさせる一本をつくります。

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