brightening
ナイアシンアミドは色素沈着にどう働く?そのしくみを読み解く
ナイアシンアミドは、メラニンの生成を止めるのではなく、メラノソームが肌の細胞へ受け渡される段階をゆるやかにします。穏やかで組み合わせやすい成分ですが、日焼け止めの代わりにはなりません。
ナイアシンアミドは、メラニンの生成そのものをオフにしてシミに働くわけではありません。色素を運ぶ小さな包み——メラノソームが、表面の肌の細胞へ受け渡される段階をゆるやかにすることで、時間をかけてそこにたまる色を減らしていきます(Hakozaki et al., 2002)。生成ではなく受け渡しに働くからこそ、穏やかで、少しずつ肌の色みを整えていきます。一方で、肌の奥に長く居ついた色素を消し去ることはできませんし、日焼け止めの代わりにもなりません。

ナイアシンアミドは色素沈着にどう働くのでしょうか?
メラニンは、メラノサイトと呼ばれる色素細胞の中でつくられ、メラノソームという小さな包みに詰められて、まわりの肌の細胞へと手渡されます。そのメラノソームが肌の細胞に届き、表面近くにたまることで、色素沈着として目に見えるようになります。ナイアシンアミドは、メラニンがどれだけつくられるかにはあまり関与しません。そのかわりに、肌の細胞へ受け渡されるメラノソームの量を減らします(Hakozaki et al., 2002)。受け渡しが減ることで、表面まで届く色素が少しずつ淡くなり、肌の色みが均一に見えてきます。
ほかのブライトニング成分とは何が違う?
ビタミンCやアルブチンといった成分は、メラニンをつくる酵素であるチロシナーゼの働きを抑えます。つまり生成の段階に作用するわけです。ナイアシンアミドが働くのはその先で、すでにつくられたメラニンの受け渡しをゆるやかにします。狙う段階が違うので、ぶつかり合うというより重ねやすい関係で、ナイアシンアミドは敏感な肌でも使いやすい穏やかさがあります。選択肢を見比べたいときはブライトニング成分ガイドを、自分の肌にあるのがどんな種類の色みなのか迷うときはシミと肝斑のタイプのノートが参考になります。
ナイアシンアミドはどう使えばいい?
多くの製品は、2~5%あたりに落ち着いています。濃ければ濃いほどいいというわけではなく、あまりに高濃度だと敏感な肌には刺激に感じられることもあります。ですから色素沈着に対しては、たまに高濃度を使うより、ほどよい濃度を続けるほうが力になります。ナイアシンアミドには、肌が必要とする脂質をつくる手助けをして肌バリアを支えるはたらきもあり、肌が落ち着き、水分を抱えやすくなります。くわしくはパンテノールとナイアシンアミドのバリアケアのノートをご覧ください。そして何より、日中は日焼け止めを。せっかく淡くなった色素も、そのままではまた濃くなってしまいます。
ナイアシンアミドに期待していいことは?
ナイアシンアミドは、少しずつ肌の色みを整えながらバリア機能も守ってくれる、着実で扱いやすい成分です。反対に、深く長く居ついた色素を消してくれるものではありませんし、日焼け止めの代わりにもなりません。手早い解決策ではなく、時間をかけて色ムラを整えていくものと捉えておくと、がっかりすることが少なく、続けやすくなります。まずは数週間。変化がゆっくりに感じるときは、成分を替える前に、日焼け止めの習慣を見直してみてください。

今日のひとつ
- 2~5%のナイアシンアミドを、ほどよい濃度から毎日続けてみる。
- ビタミンCも使っているなら、重ねて使えます。刺激が気になる場合は、朝にビタミンC、夜にナイアシンアミドという分け方も。
- 整えてきた肌の色みを守るために、毎日日焼け止めを使う。
よくある質問
参考文献
- Hakozaki T, et al. (2002). "The effect of niacinamide on reducing cutaneous pigmentation and suppression of melanosome transfer." British Journal of Dermatology, 147(1), 20–31.
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。