肌トラブル・ニキビ
生理前になると、毎月あごにニキビができるのはなぜ?
生理の1〜2週間前にあごへ出るニキビは、偶然ではなくホルモン周期によるもの。毎月同じ場所で悪化する理由と、周期を通してバリア機能を整えておく方法をお話しします。
生理の1〜2週間前にあごやフェイスラインにニキビができるなら、それは偶然ではなく、ホルモン周期によるものです。毎月同じ場所に出るので「また来た」と感じますが、日数をさかのぼると、たいていは1〜2週間前。つい洗顔を強めたり、より強いニキビ向けの成分に手を伸ばしたくなります。けれど原因が周期にあるのなら、その数日だけ強く攻めるより、ひと月を通してバリア機能を整えておくほうが、肌は疲れません。
生理前になるとニキビが悪化するのはなぜ?
黄体期(およそ生理の2週間前)にはエストロゲンが下がり、プロゲステロンが上がるため、相対的にアンドロゲンの影響が強まるといわれています。そのアンドロゲンが皮脂を増やします。さらに古典的な報告によれば、この時期は毛穴の出口がもっとも狭くなるとされています(Williams & Cunliffe, 1973)。黄体期には皮脂が増えて出口が狭くなるため、皮脂が毛穴の中に詰まってニキビになりやすくなります。
生理前のニキビはどれくらいよくあることで、なぜあごやフェイスラインに出るの?
けっして珍しいことではありません。女性の約44%が生理前にニキビの悪化を経験していると答え、その割合は年齢とともに高くなりました(Stoll et al., 2001)。自分だけかもしれないと思っていたなら、女性のおよそ半数が同じ周期を生きています。
ホルモンによるニキビは、フェイスラインや口まわりなど、顔の下半分に出やすい傾向があります。あごまわりの毛包は、ホルモンの揺れにとりわけ敏感に反応するといわれています。額よりもあごのほうが「毎月同じ場所」と感じられるのは、そのためです。同じ場所に触れているほかのものについては頬杖や枕が関わっているかどうかで続けます。
悪化する数日だけ、強くケアすればいい?
いちばんよくあるのが、悪化するその数日だけを強い成分で叩くやり方です。強い成分を数日に集中させると、その場所のバリア機能が疲れてしまうことがあります。悪化する数日だけ強い成分に頼るより、周期を通してバリア機能を整えておきましょう。そうすることで生理前の悪化が減るかどうかを、試験で確かめたわけではありません。バリア機能の低下がニキビにつながる流れはバリアが崩れるとニキビができる理由で、乾燥が皮脂を招く理由は乾燥した肌ほど皮脂が増える理由でお話ししています。
大まかな流れはこうです。生理後から排卵までは比較的おだやかな時期なので、いつものやさしいお手入れを続けます。生理前の1〜2週間は、新しく強い成分を足さず、やさしい洗顔と保湿でバリア機能を守りましょう。皮脂の出やすい部分だけを軽く整えてください。
生理前のニキビは、肌が弱い証拠?
生理前のニキビは、黄体期にアンドロゲンの影響が強まり、毛穴の出口が狭くなることで起こる、からだの周期の一時的な現れです。女性の約44%が経験していると答えるほどよくあることで(Stoll et al., 2001)、肌が弱いことの証ではありません。生理前のニキビがくり返すなら、その数日にとらわれず、周期を先読みしてバリア機能を整えておきましょう。複雑なカレンダーは必要ありません。
今日から試せること
新しいアイテムに手を伸ばす前に、まずこのあたりから見直してみてください。
- ニキビが本当に生理前に集中しているか、1〜2周期分の日付をメモして確かめましょう。生理前の悪化を経験していると答えた女性は約44%でした(Stoll et al., 2001)。カレンダーに生理の開始日とニキビが出た日を書き込めば、1〜2週間前に集まっているかがすぐにわかります。毎月の悪化がひどいときや、痛みや跡が残るときは、皮膚科か婦人科を受診してください。
- 黄体期(生理の1〜2週間前)には新しく強い成分を足さず、やさしい洗顔と保湿でバリア機能を守りましょう。この方法で悪化が減るかどうかを試験で確かめたわけではありません。メモした2周期分でニキビの数を比べ、変わらないか増えるときは皮膚科を受診してください。
- あごやフェイスラインのニキビはつぶしたりこすったりせず、洗顔のときに手でやさしく洗い流すだけにしましょう。触らないことで跡が減るかどうかを試験で確かめたわけではありません。ニキビが引いたあと、赤や茶色の跡が残っていないか見てください。痛みが強いときや跡が残るときは、皮膚科を受診してください。
よくある質問
参考文献
- Williams M, Cunliffe WJ. (1973). "Explanation for premenstrual acne." Lancet, 2(7837), 1055–1057.
- Stoll S, et al. (2001). "The effect of the menstrual cycle on acne." Journal of the American Academy of Dermatology, 45(6), 957–960.
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。