肌トラブル・ニキビ
大人ニキビは、思春期ニキビと何がちがう?
大人ニキビはフェイスラインに出やすく、ホルモンの揺らぎとともに現れ、バリア機能が低下した肌の上で起こりがちです。思春期のやり方が逆効果になる理由と、代わりに選びたいケアをお話しします。
大人ニキビは思春期ニキビと違い、あごや口まわりに集まり、ホルモンの揺らぎに合わせて増減し、ピリつきやつっぱりのある肌に出ることが多いとされています。大人ニキビには、皮脂を落とす強い成分を足すより、まず肌への刺激を減らしてください。思春期ニキビは主に皮脂の急増によって起こり、額や鼻に広がります。ニキビのある人は、肌から失われる水分が多いことが測定されています(Sukanjanapong et al., 2024)。
多くの人は、十五歳のころに効いた方法へ手を伸ばします。もっと洗う、乾かす、もっと強いものを使う。けれど大人の肌では、その方法こそがニキビを続かせていることが少なくありません。
なぜ大人になってから、またニキビが出てくるのでしょうか
引き金が変わるからです。思春期には、増えていくアンドロゲンが皮脂の分泌を一気に押し上げ、Tゾーン全体が反応します。大人になると分泌量そのものは落ち着き、代わりに周期に伴うホルモンの揺らぎ、ストレス、睡眠が引き金になるとされています。大人ニキビは、あごや口まわりに周期的に出ることが多いです。月ごとのリズムについては、生理前のあごニキビで詳しくお話ししています。
バリア機能とニキビには、どんな関係があるのでしょうか
思われている以上に、深い関係があります。一時点で比べた研究では、ニキビのある人は、ない人より肌から失われる水分が多く、肌の水分量や皮脂も多めでした。ニキビの治療を受けている人で、水分の失われ方がいちばん大きくなっていました(Sukanjanapong et al., 2024)。研究チームも、ニキビ治療中の人にはバリア機能を支える保湿剤が役立つ可能性があると述べています。ニキビの治療中なら、バリア機能を支える保湿剤をあわせて使ってください。このループの回り方は、バリアが傷むとニキビが悪化する理由で解説しています。
洗う回数を増やすと、なぜ悪くなるのでしょうか
皮脂を奪っても、皮脂は減らないからです。刺激の強い界面活性剤と洗いすぎは、皮脂と一緒にバリアを支える脂質まで奪います。界面活性剤が肌のたんぱく質や脂質にダメージを与えることは、すでによく記述されています(Ananthapadmanabhan et al., 2004)。奪われて乾いた肌は、それを補おうとしてさらに皮脂を出し、刺激がその上に炎症を重ねるとされています。強く何度も洗うと、皮脂と一緒にバリアの脂質まで流れてしまうことがあります。脂性肌の内側が乾いている理由と洗顔料の選び方もあわせてご覧ください。
では、大人ニキビには何が役に立つのでしょうか
洗顔は朝と夜の一回ずつ、弱酸性でマイルドなものひとつに戻し、ピリつくアクティブ成分の重ねづけはやめてください。そのうえで、肌そのものの脂質構造に近い設計の保湿でバリア機能を支えてください。大人ニキビには、やさしい洗顔と保湿でまずバリア機能を整え、ニキビ向けの成分は低い濃度でひとつだけ加えてください。加えた成分は、数日ではなく数週間見守ってください。あとに残る跡については、赤い跡と茶色い跡の違いでお話ししています。
まとめると、大人ニキビは足すより引く
大人ニキビは、ホルモンの揺らぎに合わせてあごや口まわりに出て、刺激に弱い肌に現れることが多いとされています。ニキビのある人は肌から失われる水分が多く、治療中の人でいちばん多くなっていました(Sukanjanapong et al., 2024)。思春期のように強く何度も洗うと、バリアの脂質まで奪うことがあります(Ananthapadmanabhan et al., 2004)。ステップと摩擦を減らしてバリア機能を守り、残したニキビ向けの成分が働く時間を十分にとってください。
今日できること
- 洗顔はマイルドな洗顔料ひとつで一日二回までにし、こすらないでください。刺激の強い界面活性剤と洗いすぎは、バリアの脂質まで奪うことがあります(Ananthapadmanabhan et al., 2004)。洗顔直後につっぱるかを見てください。つっぱりとピリつきが数日以上続くなら、皮膚科を受診してください。
- 皮脂の多い部分にも、肌そのものの脂質構造に近い設計の保湿を塗ってください。ニキビのある人、とくに治療中の人は、肌から失われる水分が多くなっていました(Sukanjanapong et al., 2024)。翌日の午後のテカりや新しいニキビが増えたかを見てください。塗ったところに小さなブツブツが増え続けるなら製品を替え、それでも増えるなら皮膚科を受診してください。
- アクティブ成分は低い濃度でひとつだけ残し、あとは数週間お休みしてください。ひとつだけ残すのはよく使われる方法で、試験で確かめられたものではありません。ひとつだけ残した日を書きとめ、新しいニキビが出る早さが変わるかを数週間かけて見てください。押して痛む、触れて硬いしこりがある、跡が残るようなニキビは、皮膚科を受診してください。
よくある質問
参考文献
- Sukanjanapong S, et al. (2024). "Skin Barrier Parameters in Acne Vulgaris versus Normal Controls: A Cross-Sectional Analytic Study." Clinical, Cosmetic and Investigational Dermatology, 17, 2427–2436.
- Ananthapadmanabhan KP, et al. (2004). "Cleansing without compromise: the impact of cleansers on the skin barrier and the technology of mild cleansing." Dermatologic Therapy, 17(Suppl 1), 16–25.
この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。