moisture & barrier

更年期の顔の赤み——なぜ、こんなに赤くなりやすいの?

更年期以降に顔が赤くなり、ほてりやすくなるのは、エストロゲンの低下で肌が薄くなり、血管が反応しやすくなるから。全身のほてりは医療の領域、肌表面の赤みは自分で整えられます。

更年期を迎えてから顔が赤くなったり、ほてったりすることが増えたなら、それはエストロゲンの低下によって肌が薄く乾きやすくなり、血管が反応しやすくなっているからです。エストロゲンは、肌のコラーゲン、うるおい、そして血管を保つ働きをしています。更年期以降にそれが下がると、バリア機能が弱まり、小さなきっかけでも赤くなりやすくなります(Thornton, 2013; Brincat et al., 1987)。突然やってくる全身のほてり(ホットフラッシュ)はホルモンの変化によるもので、つらいときは医師に相談すべきことです。けれど、肌の表面にあらわれる赤みや熱っぽさは、鎮めること、うるおすこと、肌バリアのケア、そして日焼け止めでやわらげていけます。

以前より频繁に、以前よりかんたんに顔が赤くなる。どこから手をつければいいのか、わからなくなります。

更年期以降、なぜ赤みが増えるのか

エストロゲンは、思っている以上に肌のために働いています。厚みとハリを支えるコラーゲンを保ち、水分をつなぎとめ、血管や修復のはたらきを支えています。更年期以降、エストロゲンが下がると、肌は薄くなり、コラーゲンとうるおいを失い、血管は反応しやすくなります(Thornton, 2013; Brincat et al., 1987)。薄く乾いた肌はバリア機能が弱く、気温の変化、刺激、日ざしで、かんたんに赤く、熱くなります。

全身のほてりと、肌の赤みは別のもの

この二つを分けて考えると、ケアはずっとシンプルになります。全身のほてりは、顔から上半身にかけて突然おしよせる熱の波。ホルモンの変化を知らせる、からだのサインです。これはスキンケアの領域ではなく、つらいときは医師との相談と生活の工夫で向き合うものです。いっぽう、肌の表面が赤くなりやすい、熱を持ちやすいというのは、薄くなったバリア機能と、反応しやすくなった血管の話。スキンケアでやわらげていけます。今すぐ手をつけられるのは、後者です。

では、どう整えていくか

順番は、こうです。まず、刺激を減らすこと。熱いお湯、サウナ、強い酸(ビタミンC、AHA、BHA)、そしてこすること——肌を熱くするものを控えます。つぎに、バリアを補いなおすこと。セラミドやパンテノールのような成分でうるおしながら、薄くなったバリア機能が立て直されるのを助け、赤みが出やすい時期には鎮静成分を足します。そして、毎日紫外線をふせぐこと。紫外線は、薄くなった肌の血管とコラーゲンをさらに刺激します。バリアと鎮静の成分がどう働き合うのかはパンテノールとナイアシンアミド、バリアの回復で、いくら塗ってもつっぱるという方は乾燥が続く理由でお話ししています。

赤みを抑えこむより、薄くなったバリアを先に補う

更年期の赤みは、肌が壊れてしまったサインではなく、もろくなってきたというサインです。赤くなるたびに抑えこもうとするより、刺激をゆるめ、バリアを補いなおし、紫外線をふせぐ。そうしているうちに、赤くなりやすかった肌は少しずつ落ち着いていきます。全身のほてりで日常生活がつらいときは、スキンケアとは切り離して、医師にご相談ください。

今日の一歩

  • 洗顔はぬるま湯で。熱いお湯とサウナは、赤みを強めます。
  • セラミドとパンテノールを軸にした保湿でバリアを補いなおし、ほてっているときは鎮静成分を足してください。
  • 日中は日焼け止めを。肌が薄いときほど、必要になります。
  • 顔のほてりが频繁で、日常生活に支障が出るときは、医師への相談も考えてみてください。

よくある質問

更年期の赤みは、自然におさまりますか?
全身のほてりは時間とともにやわらぐことがありますが、個人差がとても大きいものです。肌表面の赤みは、刺激を減らしてバリアを補いなおすことで軽くしていけるので、放っておくより、整えていくほうがいいでしょう。
ホルモン療法で、肌の赤みもよくなりますか?
ホルモン療法は、医師と相談して決めることです。肌だけについていえば、刺激を減らすこと、そしてバリアと紫外線を整えることが、今、確実にできることです。
鎮静成分は、どれを選べばいいですか?
ツボクサ(マデカッソシド)、パンテノール、アラントインのような、おだやかな鎮静・バリア成分が安心な選択です。新しい製品はどれも、少量から始めて、肌の反応を見てください。
ほてったとき、冷水や氷を顔に当ててもいいですか?
一瞬は冷えますが、急激な温度差はかえって血管を刺激することがあります。ぬるめを保ちながら刺激を減らすほうが、うまくいきます。

参考文献

  1. Thornton MJ. (2013). "Estrogens and aging skin." Dermato-Endocrinology, 5(2), 264–270.
  2. Brincat M, et al. (1987). "Skin collagen changes in postmenopausal women receiving different regimens of estrogen therapy." Obstetrics and Gynecology, 70(1), 123–127.

この記事は一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療に代わるものではありません。

Naeun Kim

Naeun Kim

創業者・韓国MFDS認定 オーダーメイド化粧品調製管理士

始まりは、選ぶ成分を間違えて自分の肌を崩してしまったことでした。そこから肌が落ち着いていく過程で学んだことをもとに、肌バリアのケアを中心に据えて、自分の手で調製し、設計しています。足りないものを埋めて別の肌にするのではなく、あなたなりの最適点で、肌がもともと持つ働きを目覚めさせる一本をつくります。

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